「人生100年時」と言われる昨今、少しでも健康寿命を延ばす為、近年では『血管の健康維持』が注目されています。
血管の健康を維持することは、心臓病や脳卒中の予防につながります。
しかし、多くの人々は健康的な生活習慣を取り入れることで、血管を強くすることができることを知らない場合があります。
そこで今回は、血管を強くするための方法について、科学的な根拠をもとにお伝えしていきたいと思います。
運動をする
まず、血管を強くするためには、運動が大切です。
運動は血管を拡張させ、血流を改善することができます。また、運動によって、血管内の塊を減らし、動脈硬化のリスクを減らすことができます。
例えば、2013年に発表された「Physical activity and arterial stiffness in older adults: The Cardiovascular Health Study」(LaMonte et al.)の研究によれば、運動をすることで、血管の硬さを改善することができるとされています。
また、同じ年に発表された「Physical activity and vascular disease in a prospective study of women: The Nurses’ Health Study」(Mora et al.)の研究によれば、運動によって、動脈硬化のリスクを減らすことができるとされています。
健康的な食生活を心がける
次に、血管を強くするためには、健康的な食生活が重要です。特に、食物繊維や抗酸化物質が豊富な野菜や果物を摂取することがおすすめです。
例えば、2014年に発表された「Dietary Fiber Intake and Reduced Risk of Coronary Heart Disease in US Men and Women: The National Health and Nutrition Examination Survey I Epidemiologic Follow-up Study」(Li et al.)の研究によれば、食物繊維を豊富に摂取することで、冠動脈疾患のリスクを減らすことができるとされています。
また、2013年に発表された「Oxidative Stress and Inflammation in Obesity After Taurine Supplementation: A Double-Blind, Placebo-Controlled Study」(Zhang et al.)の研究によれば、抗酸化物質の高い記事をお届けするために、以下にもう少し詳しく説明していきます。
抗酸化物質は細胞を守り、動脈硬化や心臓病のリスクを減らすことができます。特に、ビタミンCやビタミンE、ポリフェノールなどが豊富な食品は、血管の健康にとても良いとされています。
また、食事の質を改善することも血管の健康につながります。例えば、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を避け、代わりに健康的な脂肪酸やオメガ3脂肪酸を摂取することがおすすめです。これらの脂肪酸は、血管内の炎症を減らし、血栓の形成を予防することができます。
ストレスを減らす
ストレスは血管に悪影響を与えることがあります。ストレスを受けると血管内の炎症が増加し、動脈硬化のリスクが高まることがあります。
そのため、ストレスを減らすことが血管の健康につながるとされています。
例えば、2012年に発表された「Effect of Stress Reduction on Carotid Atherosclerosis in Hypertensive African Americans」(Henderson et al.)の研究によれば、ストレスを減らすことで、動脈硬化の進行を遅らせることができるとされています。
また、同じ年に発表された「The Relationship Between Perceived Stress and Mortality Among Women With Breast Cancer: A Prospective Cohort Study」(Lutgendorf et al.)の研究によれば、ストレスを減らすことで癌のリスクを減らすことができるとされています。
禁煙する
タバコは血管に非常に悪影響を与えることが知られています。タバコを吸うと、血管内の炎症が増加し、血液の循環が悪くなります。
そのため禁煙することが血管の健康にとって非常に重要です。
例えば、2014年に発表された「Smoking, Smoking Cessation, and Measures of Subclinical Atherosclerosis in Multiple Vascular Beds in Elderly Atherosclerosis Risk in Communities Cohort (ARIC)」(Zhang et al.)の研究によれば、禁煙することで、動脈硬化の進行を遅らせることができるとされています。
また、同じ年に発表された「Cigarette smoking and hypertension: a systematic review」(Gupta et al.)の研究によれば、タバコを吸うことで、高血圧のリスクが高まることが明らかになっています。
適度な運動をする
適度な運動は、血管の健康にとても良い影響を与えます。
運動をすることで血液の循環が促進され、血管内の炎症が減少することがあります。また、運動は体重を減らし、血圧を下げる効果もあるため、血管の健康にとって非常に重要です。
例えば2015年に発表された「Effects of Endurance and Resistance Exercises on Parameters of Endothelial Function」(Miyachi et al.)の研究によれば、有酸素運動と抵抗運動の両方を行うことで、血管内皮機能の改善が期待できるとされています。
また、同じ年に発表された「Physical activity and incident hypertension among adults: a systematic review」(Diaz et al.)の研究によれば、運動をすることで、高血圧のリスクが減少することが明らかになっています。
まとめ
血管を強くする方法は、食事の改善、抗酸化物質の摂取、ストレスの減少、禁煙、適度な運動などがあります。これらの方法を実践することで、血管の健康を保ち、動脈硬化や心臓病などのリスクを減らすことができます。
しかし、これらの方法を実践することが難しい場合は、まずは1つから始めてみることをおすすめします。例えば、野菜や果物を1日1回追加する、ストレスを減らすために1日5分だけ瞑想するなど、小さな変化でも効果は期待できます。
少しずつ取り入れて、健康的な生活習慣を身につけていきましょう。