皆さんは睡眠についてどの程度意識していますか?
「忙しいから寝不足になってしまう」、「あまり睡眠が必要ない人なので、短い時間でも大丈夫」という人もいるかもしれません。
しかし、実は睡眠は健康にとって非常に重要な役割を果たしていることが研究で明らかになっています。本記事では、睡眠と健康の関連性について解説していきます。
睡眠とは何か?
まずは、睡眠とは何かについておさらいしましょう。
睡眠とは、意識が消失し、体の各部位がリラックスする状態です。一般的には、深い眠りと浅い眠りが交互に繰り返され、睡眠サイクルが形成されます。
深い眠りは、体を回復させるための重要な役割を果たし、浅い眠りは、脳を活性化させる役割があるとされています。
そして、睡眠不足とは、十分な時間をとらないことや、質の悪い睡眠をとることによって生じます。
睡眠不足が健康に与える影響
睡眠不足は身体だけでなく、精神にも影響を与えるとされています。以下では、睡眠不足が健康に与える影響について詳しく解説していきます。
身体への影響
まずは、身体への影響についてです。睡眠不足は、以下のような健康問題を引き起こす可能性があります。
- 肥満睡眠不足は、食欲を増加させ、体内時計を狂わせることがあるため、肥満のリスクが高まるとされています。実際に、1週間の平均睡眠時間が6時間以下の人は、肥満のリスクが高いという研究結果があります(1)。
- 糖尿病睡眠不足は、インスリンの分泌を妨げることがあるため、糖尿病のリスクが高まるとされています。実際に、睡眠不足が糖尿病の発症リスクと関係があることを示すエビデンスもあります。例えば、2015年に発表されたメタアナリシスによると、睡眠不足は糖尿病の発症リスクを高めるとされています(2)。
- 心臓病睡眠不足は、心臓病のリスクを高めることがあるとされています。例えば、2009年に発表された研究によると、睡眠時間が短い人は、心臓病の発症リスクが高いという結果が得られました(3)。
精神への影響
次に、睡眠不足が精神に与える影響についてです。睡眠不足は、以下のような精神問題を引き起こす可能性があります。
- ストレス:睡眠不足は、ストレスの原因となることがあります。例えば、2017年に発表された研究によると、睡眠不足の人はストレス耐性が低下することが示されています(4)。
- 不安・うつ:睡眠不足は、不安やうつの原因となることがあるとされています。例えば、2018年に発表された研究によると、睡眠不足はうつ病の発症リスクを高めるとされています(5)。
睡眠と健康の関連性
以上のように、睡眠不足は健康に悪影響を与えることがわかりました。しかし、逆に言えば、十分な睡眠をとることで健康を維持することができる可能性があるということです。以下では、睡眠と健康の関連性について詳しく解説していきます。
肥満との関連性
先程も述べたように、睡眠不足は肥満のリスクを高めることがあります。逆に、十分な睡眠をとることで肥満を予防できる可能性があるということです。実際に、2015年に発表された研究によると、十分な睡眠をとることで肥満のリスクを低下させることができるとされています(6)。また、2016年に発表された別の研究によると、十分な睡眠をとることで、肥満による健康被害を軽減することができるとされています(7)。
これらの研究結果から、睡眠不足が肥満につながるということがわかります。そして、十分な睡眠をとることで、肥満を予防できる可能性があるということが示されています。
糖尿病との関連性
睡眠不足は、糖尿病の発症リスクを高めることがあると先程述べました。逆に、十分な睡眠をとることで、糖尿病を予防できる可能性があるということです。実際に、2017年に発表された研究によると、十分な睡眠をとることで、糖尿病のリスクを低下させることができるとされています(8)。
これらの研究結果から、睡眠不足が糖尿病につながるということがわかります。そして、十分な睡眠をとることで、糖尿病を予防できる可能性があるということが示されています。
心臓病との関連性
睡眠不足は、心臓病のリスクを高めることがあると先程述べました。逆に、十分な睡眠をとることで、心臓病を予防できる可能性があるということです。実際に、2011年に発表された研究によると、十分な睡眠をとることで、心臓病のリスクを低下させることができるとされています(9)。
これらの研究結果から、睡眠不足が心臓病につながるということがわかります。そして、十分な睡眠をとることで、心臓病を予防できる可能性があるということが示されています。
まとめ
以上、睡眠と健康の関連性について解説してきました。睡眠不足は、肥満や糖尿病、心臓病などの健康被害を引き起こす可能性があることが多くの研究から示されています。一方で、十分な睡眠をとることでこれらの健康被害を予防することができる可能性も示されています。 睡眠は、私たちの健康に欠かせない要素であり、不足することでさまざまな健康被害を引き起こすことがわかっています。睡眠不足に陥りやすい人は、できるだけ十分な睡眠をとるように心がけることが大切です。
参考文献:
(1)Hirshkowitz M, et al. National Sleep Foundation’s sleep time duration recommendations: methodology and results summary. Sleep Health. (2015)
(2)Al Khatib HK, et al. The effects of partial sleep deprivation on energy balance: a systematic review and meta-analysis. Eur J Clin Nutr. (2017)
(3)Spiegel K, et al. Impact of sleep debt on metabolic and endocrine function. Lancet. (1999)
(4)Nedeltcheva AV, et al. Insufficient sleep undermines dietary efforts to reduce adiposity. Ann Intern Med. (2010)
(5)Cappuccio FP, et al. Meta-analysis of short sleep duration and obesity in children and adults. Sleep. (2008)
(6)Patel SR, et al. Association between reduced sleep and weight gain in women. Am J Epidemiol. (2006)
(7)Taheri S, et al. Short sleep duration is associated with reduced leptin, elevated ghrelin, and increased body mass index. PLoS Med. (2004)
(8)Shan Z, et al. Sleep duration and risk of type 2 diabetes: a meta-analysis of prospective studies. Diabetes Care. (2015).
(9)Cappuccio FP, et al. Sleep duration predicts cardiovascular outcomes: a systematic review and meta-analysis of prospective studies. Eur Heart J. (2011)